天才少年から真の芸術家へと深化を遂げるヴァイオリンの名手
ワディム・レーピン ヴァイオリン・コンサート~偉大な芸術家の思い出に~
with アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)&アンドレイ・コロベイニコフ(ピアノ)
タイトル | ワディム・レーピン ヴァイオリン・コンサート |
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日 時 | 2014年12月2日(火) 7:00pm開演(6:30pm開場) |
会 場 | 札幌コンサートホール Kitara大ホール |
料 金 |
S ¥7,000 (会員 ¥6,300) A ¥5,000 (会員 ¥4,500) ※車椅子席 ¥3,500 (オフィス・ワンにて取り扱い) |
出演 | ワディム・レーピン(ヴァイオリン)、アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)、アンドレイ・コロベイニコフ(ピアノ) |
曲 目 | ●ラフマニノフ:悲しみの三重奏曲第1番●チャイコフスキー:アンダンテカンタービレ●ショーソン:詩曲●ラヴェル:ツィガーヌ●チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調「偉大な芸術家の思い出に」 |
リンク | |
コード | [Pコード] 241-140 [Lコード] 11567 |
1971年シベリアに生まれ、5歳でヴァイオリンを始めたレーピンは、11歳でヴィエニャフスキ・コンクール金メダル受賞、これを機に、東京、ベルリン、ニューヨーク等世界各地でリサイタル・デビュー、圧倒的な演奏で聴衆を驚嘆させ、天才少年として広くその名を知られました。
その後も、ベルリン・フィル、ボストン響、ロンドン響、ニューヨーク・フィル等世界トップ・オーケストラや、ラトル、メータ、ムーティ、小澤、ゲルギエフ等々数多くのマエストロ、又アルゲリッチ、キーシン、マイスキー等一流演奏家と共演、研鑽を重ね、真のアーティストへと成長・進化を遂げてきました。
今年レーピンは、43歳となり、生来の豊潤な音色、眩いばかりのテクニックに加え、さらなる音楽の深みに向かい、巨匠への道を歩みつつあります。
今回は、二人のロシアの実力派ソリストとの共演で、デュオの名曲とチャイコフスキーの大作トリオ「偉大な芸術家の思い出に」を一公演で演奏いたします。レーピンの今をじっくりとご堪能いただく贅沢なプログラムです。
ワディム・レーピン 最新インタビュー
★これまで何度か札幌で演奏されておりますが、札幌やキタラ、PMFの印象についてお聞かせください。
最近ですと、昨年のPMFで演奏しております。また、2009年にはマレーシア・フィルと2006年にはゴラン氏とリサイタルで札幌に来ております。
日本は私にとって大好きな国のひとつです。まだ子供の頃にデビューさせてもらって以来、数えきれないほど来日し、日本各地で時間を過ごさせてもらいました。人々の心の暖かさ、礼儀正しさ、音楽を愛する心、そして素晴らしい文化、それに世界一美味しいと言ってもいい食事・・・。
札幌の皆さんは、世界一級のコンサートホール、そして昨年出演させてもらった素晴らしい教育音楽祭をもっていて本当に幸せだと思います。
★今回のプログラムの聴きどころ、共演者についてお聞かせください。
アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)とアンドレイ・コロベイニコフ(ピアノ)はもっとも信頼する友人でこれまで度々共演していますが、日本では初めてになります。
ラヴェルの「ツィガーヌ」、ショーソンの「詩曲」、そしてチェロによるチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」は説明するまでもない名曲中の名曲です。才能そして個性溢れる二人の紡ぐ音楽にもぜひご注目いただきたいです。わたし自身も日本の皆様の前で彼らと共演できることは今からとてもエキサイティングに感じています。
さらに、ラフマニノフとチャイコフスキーの三重奏曲、特にチャイコフスキーのトリオは親友ニコライ・ルビンシテインの死に寄せて作曲され「偉大な芸術家の思い出に」と副題の付けられた壮大な物語的作品です。ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、3人のための3人によるコンチェルトのような作品、約50分、全てが聴きどころです。
★札幌の聴衆に向けて何かメッセージをお願いいたします。
私の出身地、ノヴォシビルスクと姉妹都市でもある美しい街、札幌に再び戻れること、今からとても楽しみにしています。今回、室内楽(トリオ)は札幌では初めて聴いていただくことになります。12月2日、ぜひキタラでお会いしましょう!
■ワディム・レーピン (ヴァイオリン) Vadim Repin, Violin
音楽こそがワディム・レーピンの母国語である。そのヴァイオリンから豊かな音色のパレットを創り上げる驚くべき才能、眼も眩むばかりのテクニック、そして詩的で繊細な音楽性、世界中の聴衆を魅了してやまない真のヴィルトゥオーゾである。
1971年シベリア生まれ。5歳でヴァイオリンをはじめ、その6ヶ月後にはステージで初めての演奏を果たした。11歳でヴィエニャフスキ・コンクールで金メダルを獲得、モスクワとサンクトペテルブルクでリサイタル・デビュー。1985年には14歳にして東京、ミュンヘン、ベルリン、ヘルシンキ、翌年にはカーネギーホールにデビューしている。そしてさらに2年後、17歳でエリーザベト王妃国際コンクールに優勝、その後もベルリン・フィル、ボストン響、シカゴ響、クリーヴランド管、スカラ・フィル、ロンドン響、ニューヨーク・フィル、ロサンゼルス・フィル、サンフランシスコ響、パリ管、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、イスラエル・フィル、ロッテルダム・フィル、ハンブルク北ドイツ放送響、サンクトペテルブルク・フィルをはじめ世界のトップ・オーケストラとラトル、メータ、ムーティ、ブーレーズ、ヤンソンス、小澤、ゲルギエフ、シャイー、アシュケナージ、チョン、ビシュコフ、コンロン、デュトワ、ナガノ、ドホナーニ、エッシェンバッハ、フェドセーエフ、ガッティ、ユロフスキ、ロジェストヴェンスキー、ネゼ=セギャン、テミルカーノフ、ジンマン等の指揮で次々に共演、BBCプロムス、ルツェルン、ヴェルビエ、ラインガウ、ラヴィニア、タングルウッド、グシュタードなどトップクラスの音楽祭にも定期的に招聘されている。
ニコライ・ルガンスキー、イタマール・ゴランをパートナーに、世界各地でリサイタルを行っており、2008/09年シーズンにはザルツブルク音楽祭、ウィーン、ジュネーヴ、ロンドン、ブリュッセル、パリ、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨーク、ワシントン、東京を含む世界各国の聴衆を熱狂させた。また室内楽の活動にも精力的で、マルタ・アルゲリッチ、エフゲニー・キーシン、ミッシャ・マイスキーらとも定期的に共演している。
そのほか近年のハイライトは、ゲルギエフ指揮ロンドン響、ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルとのツアー、ムーティ指揮ニューヨーク・フィル、シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、ユロフスキ指揮ロンドン・フィルとのツアー、彼のために作曲されたジェームス・マクミランのヴァイオリン協奏曲のロンドン、フィラデルフィア、ニューヨークのカーネギーホールでの世界初演などがあげられる。
CDリリースも多く、協奏曲やソロ、室内楽などいずれも高く評価され、次々と賞を獲得。その後、ドイツ・グラモフォンと専属契約、デビュー盤はムーティ指揮ウィーン・フィルとのベートーヴェンにマルタ・アルゲリッチとのクロイツェル・ソナタのカップリング。2枚目は、シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管とのブラームス、次いでエコー・クラシックを受賞、マドリッド、ロンドン、ザルツブルクでも共演したマイスキー、ラン・ランとのチャイコフスキーとラフマニノフのピアノ三重奏曲、ルガンスキーとのフランク、グリーグ、ヤナーチェクがリリースされており、いずれも絶賛されている。
2010年2月フランスで最も権威ある"Victoired'honneur"を受賞。同年12月には芸術文化勲章受賞も果たした("Chevalier de l’Ordre des Arts et Lettres")。使用楽器は1743年作のグァルネリ・デル・ジェズ「ボンジュール」。
■アレクサンドル・クニャーゼフ (チェロ) Alexander Kniazev, Cello
力強く抒情的な演奏で定評のある、現代ロシアを代表するチェロ奏者のひとり。モスクワ音楽院でチェロとオルガンを学ぶ。これまでスヴェトラーノフ、テミルカーノフ、ロストロポーヴィチ、フェドセーエフ、ヴェデルニコフ、M.ショスタコーヴィチ、バシュメット、N.ヤルヴィ、マズア、ロシア国立響、サンクトペテルブルク・フィル、チャイコフスキー響、ウィーン響、ロイヤル・フィル、バイエルン放送響、フランス国立管、エーテボリ響、プラハ・フィル等にソリストとして招かれている。室内楽にも情熱を注ぎ、キーシン、レーピン、ルガンスキー、ベレゾフスキーらと共演。キーシンの40歳を祝うフェスティバルにも招かれ、サントリーホールでも共演。ロシア各地はもちろん、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ロンドンのウィグモアホール、ニューヨークのリンカーンセンター、ブリュッセルのパレ・デ・ボ・ザール、ウィーンのムジークフェライン、パリのサル・プレイエルなどでも演奏している。ザルツブルク、ルガーノのアルゲリッチ・フェスティバルをはじめ数々の音楽祭から、またラ・フォル・ジュルネ音楽祭の常連でもあり、フランス・ナント、東京だけでなく、びわ湖ホール、金沢などでも日本の聴衆を魅了している。バッハの無伴奏チェロ組曲、チャイコフスキー・アルバムをはじめ数々のCDも絶賛されている。
■アンドレイ・コロベイニコフ (ピアノ) Andrei Korobeinikov, Piano
1986年生まれ、モスクワ音楽院を19歳で最優秀の成績で卒業。2004年スクリャービン国際コンクール優勝、05年ラフマニノフ国際でも2位及び聴衆賞を受賞。07年アシュケナージ指揮フィルハーモニア管のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」でロンドン・デビュー。すでにロンドンのウィグモアホール、パリのシャンゼリゼ劇場、ルーブル美術館、サンクトペテルブルクのフィルハーモニー、モスクワ音楽院大ホール、ワシントンのパフォーミングアーツセンター、サントリーホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、チューリッヒのトーンハレ、ベルリンのコンツェルトハウスなどに登場、サンクトペテルブルク・フィル、ベルリン・コンツェルトハウス管、フランス国立管、NHK響、ブダペスト祝祭管、ラハティ響などと共演している。コロベイニコフのピアニズムは繊細、透明で、まるで真珠を転がすように粒が揃い美しくそして力強いと評される。クニャーゼフ、レーピンとは度々共演、特にレーピンの若い世代の新しいパートナーとしてはかけがえのない存在である。ディアパゾン・ドールを受賞したスクリャービンをはじめ、リリースするCDはいずれも高い評価を受けている。17歳でモスクワのヨーロッパ法科大学を卒業、司法試験にも合格するほか、エスペラント語を話すなど異彩も放つ。